なおスコア高め

ありふれた教室のなおスコア高めのレビュー・感想・評価

ありふれた教室(2023年製作の映画)
5.0
今年のアカデミー賞・国際長編映画賞🏆️にノミネートした、ありふれた教室🎥

かねがね思っていたことなのですが
先生って本当に大変だなあ!と
子どもたちはもちろん、
もれなく付いてくる保護者、
同僚の先生たち、
上司(校長先生とか)
それぞれと向き合ってうまくやっていかなければならないんだなって
その、人間関係のスキルみたいなものがとても重要に思えて
観ていてもう、ため息しかない
本当に頭が下がる思いです

(そしてこのタイトル、原題も英語題も“職員室”で、
邦題だけ“教室”、しかも“ありふれた”と付いているのが面白いなと
観終わって調べてそう思った)

この先生は、すごく頑張っていたと思う
正義感が強いんだなと思った冒頭
でも頭が固いというよりは、誰に対しても誠実にいよう、フェアであろう、という姿勢を私は感じた
大変な事態に陥っても毅然とあろうと、だけど誰かを断罪するとかでもなく、保身に走るわけでもなく
何て偉いんだろう、どうか誤解が誤解を呼びませんように!と祈るように観ていた
ずっと息苦しくて大変だった
そして予告にもあった、主人公以外みんな逆向きに歩いて行くシーンが1番ショックだった

以下内容に触れます
↓↓↓











何となく、ものすごく落ち込むような、追い詰められて絶望的なストーリー展開なのかと思っていたので
ラスト数分の展開が
だんまりだったオスカーが主人公の担任の先生と一日中(たぶん)二人きりで過ごして
夕方、母親からの(たぶん)電話に出ず
先生が前に貸してくれたルービックキューブをカチャカチャと揃えて机に置いて、
先生の方にそっと指で差し出した
もうこのシーンで胸がいっぱい
オスカーは結局その後、警官たちに学校から連れ出されるんだけど
私にはその姿が王族(!)のように見え
逆向きに歩いていくシーンと同様にファンタジーなのかな?と思ったら現実
だけど、無理やりに引きずり出すとかではなくオスカーの自尊心が損なわれないようなやり方に思えたから、それが嬉しかった

オスカーは、先生と過ごしたこの1日のことを忘れないんじゃないかと思う
これからどうなるのかは分からないけど

(今となって気になっているのは、トムのカンニング疑い
後ろの席のアリ君がトムをかばって、
何か事情を説明しようとしていたけど、その説明が聞きたかった
あと、不寛容方式を取っている学校ということだったけれども
聞きなれない言葉だったからちょっとびっくり
ダメなものはダメ!というのに近いのかしら、くらいに思ってたら
割れ窓理論という心理学の理論を元にした方法なんだそうです
その辺も興味深かったです)