y

湖の紛れもなき事実のyのレビュー・感想・評価

湖の紛れもなき事実(2023年製作の映画)
2.4
しんどい方のラヴ・ディアス。未解決の失踪事件を追う正義漢の刑事が、捜査にのめり込むあまりに自我を失っていく。
他者を救うことでしか満たされない男だが、Philippines Eagleになり切って木の下で子供を追いかけ回す不審者に成り果て捜査を強制終了されるも、浮浪者のような見た目になってもなお初心を忘れずにエスメラルダを探し続ける。省略の映画であることは分かるが、モノクロなのであれば映像の雄弁さが制限される以上、脚本は興味を唆るものであって欲しかった。麻薬戦争や災害への目配せはあるが、それが作品の重厚さに貢献することも無く、哀しくも中年男の日常物語に成り下がった印象。
y

y