伊達巻

ひとつの愛の伊達巻のネタバレレビュー・内容・結末

ひとつの愛(2023年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

「煙草を吸う尼もいれば祈る娼婦もいる」めちゃくちゃセックスしたあとの「猫がいたのね」で泣きそうになってしまった。「ひとつの愛」だなんてどうとでも話が転びそうだしなんとなくずっと言いようのない緊張感があってめちゃくちゃ面白い、ある意味でサスペンス的な要素もあり勿論ラブストーリーでもあるのだが何年か昔におれの中で「結局のところ人は人を頼って生きる他ないんだろうか」っていう疑問というか不安がずっとあってまぁ今は自分なりに答えが出てるのだが改めてこの映画の変なラストを迎えて、(おれの)若干の恥ずかしさを乗り越えつつ「あの歌」を「自分のための歌」へと変換させながらからだ中にこびりついた垢という垢を払い落とすかのようにして踊り狂うナタリアの姿を見て、何より人生のある季節をひとりで生きていくことの大切な意味をからだで感じた気がした。紛うことなき犬映画でもあり、青空の広がるめちゃ綺麗なラストショットを思い出しつつ、やはりライカートの『ウェンディ&ルーシー』と重ねてみられる。あれも自分にとっての人生ベスト映画。受け入れろ受け入れろ、現実なんてこんなもんだ現実なんてこんなもんだって嘆くシーンが悔しくておもいきりグッときてしまう。あいつしっかり虫を蹴落としてんだよなぁ…無駄なシーンが無くとても丁寧な良い映画。怖いくらいエロティックなのも素晴らしい。愛はすべての意味において無限なのだ。きみの作品、死ぬほどダサいよ。ばあちゃんはぜんぶ知っていた
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