台湾の名匠ホウ・シャオシェン製作のもと、台湾ニューシネマの系譜を継ぐ俊英シャオ・ヤーチュアン監督が、バブル期の台湾を舞台に正反対な2人の大人の間で揺れ動く少年の成長を描いたヒューマンドラマは、少年の目を通して人生の選択と、人への思い遣りを問い掛ける。
1989年の台北郊外、レストランで働く父のタイライと慎ましく暮らす11歳のリャオジエは、いつか父とともに家を買い、亡き母の夢だった理髪店を開くことを願っていた。
しかしバブルによって不動産価格が高騰し、父子の夢は断たれてしまう。ある日、リャオジエは「腹黒いキツネ（オールド・フォックス）」と呼ばれる地主のシャと出会う。
シャは優しく誠実なタイライとは違い、生き抜く為には他人を見捨てろとリャオジエに言い放つ。
現実の厳しさと世の不条理を知ったリャオジエは、父とシャの間で揺らぎ始め、葛藤する。
主人公リャオジエを演じるのは、台湾きっての天才子役バイ・ルンイン、リャオジエの父親リャオタイライを、「1秒先の彼女」の実力派俳優リウ・グァンティン、また地主のシャには、台北金馬映画祭で助演男優賞に輝いたアキオ・チェンが務めている。
更に日本からは門脇麦さんがリャオタイライの幼馴染・ヤンジュンメイ役として出演している。
正反対の人生を送る大人2人によって成長するリャオジエは、どのような選択をしていくのか？
