星を付けない代わりにコメントを書いてみます。
全体的に静かなお話。
家族の物語だったけれど、介護シーンもリアルで、だけど辛すぎてもいなかった。コメディなところも少しだけ入っていて。
家族を看取るというのはこういうことなのかって思えた。
主人公の父親が無くなるまでの話、家族との接し方をゆっくり描いてた。

ここからは私の話です。
私の父親は通院をしており現在も通院しながら仕事をしています。母親から言われているのはいつどうなるか分からないということです。
元気ではあるけど、入院歴もあれば
急に倒れたこともありました。
だからこういう話って他人事じゃないんです私の場合。
この映画を通じて介護のこととかを知るだけでも。
今は元気でもいつかはさようならが来てしまう。それは父親に限らず人というのはそうなんだけど。
その時はありがとうって気持ちで送れるようにしたいなと思った。
この映画に出てくるように私も父親との想い出が多い人間なのでそこは共感した。

在宅介護をテーマにした作品であると同時に、父子の記憶にまつわる物語でもあり、その２つが“食べ物”によって結びついている。その食のディテールの描き方が、とてもユニークで面白かった。食への執着はときに滑稽にも見えるけど、この滑稽さこそが生きるということなのだ。

大学の映研で同期だった松岡監督を囲んで、当時の仲間たちと楽しくお酒を飲んだのですが、ぼくらがいろいろ考察したことと監督の意図がぜんぜん違っていたりするのも面白かった。そうやって答え合わせできないところも、映画の醍醐味なのだと改めて思いました。

大介護時代、いつ突然介護の日がやって来るかわからない。介護を通じて家族との思い出を整理してその日を迎え、そして家族も成長していく、素晴らしい映画。
寝たきりとなり即身仏になりたいと食を拒む父との主に食の思い出を通じた全体的に温かい描写。コミカルさもあって重たくないし、介護を知る入口として良いのではと思う。キャストの演技力も文句なし。

一方で、今、介護に関心のある人が多いにも関わらず、配給ついてるはずなのに上映館がシネマロサ単館でたった2週間というのが歯がゆい。

内容が真っ当なので単にミニシアターだけでなく各地上映会をやればいいのに。企業や団体、自治体と連携して。宣伝下手というかなんというか、作品はいいのにプロモーションが本当に残念すぎる。