憲

青春18×2 君へと続く道の憲のレビュー・感想・評価

青春18×2 君へと続く道(2024年製作の映画)
4.7
想像を遥かに超えて良かった。

記憶を辿る旅。
想いをたしかめる旅。
人生の旅。

ただの青春の話ではなく、人生と出逢いと、想いと。大切な後悔を温かくも強く胸に刻ませてくれる素敵な作品だった。
ここ最近観た恋愛映画で1番心に届いた。

作品もさながら、主演のお二人が素晴らしすぎる。
シュー・グアンハンという台湾の俳優さん。初めて知ったが凄すぎる。18歳と36歳をきちんと表現している。細かい仕草や癖、感情。全てにおいてこっちが引き込まれてクスッとなったり応援したくなるし愛している自分がいた。
清原果耶さんの"陽"な部分はほんっとうに温かいしこっちが微笑みたくなるぐらいに太陽の存在。『ジャンヌ・ダルク』の時に毎回あるシーンでそでで、気合を入れてくれて温かくエールをくれていたその声、その笑顔、その姿で、とても嬉しくてジーンとした。見るだけで本当に大好きで尊敬する俳優さん。お芝居も最高でアミが果耶さんで本当に良かった。

台湾の景色も日本の景色も美しい。
台湾のシーンは暖色で人の暖かさが伝わってきてホッコリするし、日本のシーンは寒色だけどその中での出会いと人の温もりに安らぎを覚える。まさに優しさ。

手を繋ぐということへの描写、想い、ここが特に素晴らしかった。
絵も凄いなって思って好きだった。
青春と18年後の自分と世界と、自分を振り返り今を生き、その中で生まれる感情と決心に胸を打たれた。
エンディングのMr.Childrenの「記憶の旅人」がもう本当にやばい。ここで音楽と歌詞で、もう一度作品を思いながら涙してしまう。
どうしてあの時行かせてしまったの?
ここの歌詞に号泣。
最後の最後まで気持ちの良い作品。

付き合うということだけが恋愛ではないという事を教えてくれた映画。
ジミーの視点で物語が進んで行くので、アミの想いを知った今、アミの視点と、ジミーの気持ちを感じながらもう一度観たい。

果たせずいる約束。
あの時を抱きしめながら生きているってどんな想いなのか計り知れない。
どんな気持ちでジミーが旅をしているのか、どんな決心をしてどうやって今立ててるのか、本当に切ないし会いに行ってくれてありがとうって思う。

人はいくつになっても旅をする
本当に心から愛する人を想う恋愛をしたい。

自分は、自分の幸せよりも相手の幸せを願ってしまう。相手が笑顔で幸せに過ごしていて欲しいと思う。これが良いのか分からずにいたが、この映画を観てそれが少しだけ浄化された気がする。
憲