プール付きのこの物件、何か変。
ブライス・マクガイア監督、ワイアット・ラッセル主演によるホラー。
中古のプール付きの物件に引っ越してきた家族に巻き起こる不可解な出来事を描く。
主人公となる元メジャーリーガーのレイをラッセル、妻のイヴをケリー・コンドンが演じているほか、二人の娘・イジーとしてアメリ・フォーファーレ、息子・エリオットとしてギャヴィン・ウォーレンが登場し、主要なキャストはこの四人。
物語は、冒頭1992年の夏、プールで少女に何かが起こるシーンでスタート、次には難病を患う元メジャーリーガーのレイ一家が、リハビリのためその物件に転居してくるのだが、以降、愛猫が消える、手の傷が治る、そして何よりレイの体調が劇的に良くなると、様々な出来事がプールを起点として巻き起こる様が中心となる。
基本、殆ど泳ぐことができず、ましてや足がつかないようなプールに対して近づくことのない私としては、得体の知れないパワーを持つプールなんて恐怖以外の何ものでもなく、それだけでホラー味が増してしまっているところ。
主人公となるラッセルは、以前ジョー・ライト監督『ウーマン・イン・ザ・ウィンドウ』でも書いたように、カート・ラッセルとゴールディ・ホーンを両親に持つ俳優であり、久々に見たものの、父・カートに似ているのは相変わらず。
クルマ好きの視点からすると、元メジャーリーガー一家とすると高級車に乗っていてもおかしくないのだが、妻の愛車が二代目のホンダ・CR-Vとかなり古めなモデルであったため、決して生活に余裕はないのが汲み取れたポイント。
また、レイが海への場外ホームランを打って以降、覚醒したとの件があったことから、本拠地をオラクル・パークとするサンフランシスコ・ジャイアンツの選手だったのかと思いきや、地区が違うミルウォーキー・ブルワーズだったのにはズッコケた次第。
夜のプールという、ただでさえそこはかとない恐怖を感じるシチュエーションを舞台とした、スプラッタ系のホラーを期待してしまうと少々拍子抜けしてしまうものの、ライトホラーとしては及第点であり、思いのほか強めな家族のドラマが悪くなかったとともに、娘を演じたフォーファーレがなかなかの美貌だったのが収穫だった一作。
水の底は気持ちがいい。