コレはれっきとした反戦映画であり、ラブストーリーであり、ある意味ホラーでもあった。
鑑賞する毎にイメージを裏切られる若尾文子。と言うことは、そもそも持ってたイメージが的外れだった事が今更判明。
いや~それにしても描き方が大胆!人間の弱さも強さも、美しさも醜さも、容赦なく包み隠さず描かれていた。とりわけ女性のパッションが凄まじい!
ベースには戦争がど~んとあって、時代故の価値観とか因習があって、更に貧しさがある。
戦争に奪われる夫との別れの辛さが引き起こしたとんでもない行動が、何故かすんなり理解出来てしまう。1歩間違えたら、私も似たような事をしないと言い切れるか?!
きっと当時の多くの女性が、行動にさえ起こさなくても紙一重の感情を持ったと思うと、やはり戦争そのものの意味を考えさせられる。
恐ろしいくらい肝が座った若尾文子にゾクッとする。一見儚げにも見えるけど、その実とんでもない芯の強さに圧倒される。
更には、決して大胆に脱いでる訳じゃないのに絡みが生々しい。いや生々しすぎる。
そしてホラーチックな不穏な音楽も効いてる。
鑑賞前にはじっくり見なかったジャケも鑑賞後にに見ると改めてゾクッとする。
いずれにしても若尾文子恐るべし!を改めて。