ジジイ

清作の妻のジジイのレビュー・感想・評価

清作の妻(1965年製作の映画)
4.2
吉田絃二郎の同名小説を新藤兼人が脚色、増村保造が監督した。1965年公開。主演の若尾文子は当時31歳くらいであろうか、脂が乗って演技にも磨きがかかっている。かなりハードな役で彼女自身も「転機になった作品」でかつ「いちばん好きな作品」と公言しているようだ。それほど不遇の主人公お兼になりきっているし、観る者にその激しい衝動や微細な感情まで手に取るように感じとらせることに成功している。息の詰まるような村社会の中で、必死でおのれを貫き通す二人の姿に心を打たれたが、最大の敵は自分自身の心の中にあったということだろうか。
ジジイ

ジジイ