カカオ

麥秋 4Kデジタル修復版のカカオのレビュー・感想・評価

麥秋 4Kデジタル修復版(1951年製作の映画)
3.4
小津安二郎監督作品、28歳、遅めの結婚について考える作品。





何気ない演出、

朝の食卓、子どもが顔を洗って来い、と叱られるが、タオルを濡らすだけで顔を洗わない場面が良い。

夜のケーキを食べる場面が良い。
子どもの動きにサッと隠す場面が良い。

電車のレールのオモチャだと思っていたが中身は食パンだった場面、それから険悪な場面に繋がる流れが良い。


しみじみとした夫婦の会話が良い。
長男が結婚して孫が生まれ、娘がもうすぐ結婚する前の今が一番いい時期かもしれない表現が良い。





急な展開で結婚相手を考え直す流れが良い。





今となっては、28歳は晩婚とは思えないが、早めに娘を送り出す習慣があったことがわかる。




「晩春」、「麦秋」、「秋刀魚の味」、
どれも似たような父親が娘を送り出すテーマに思えるが、それぞれの持ち味があってそれぞれ良い。




笠智衆、
めずらしく穏やかな表情というよりはカリカリしており、常に機嫌が悪い印象が強い。


小津安二郎監督の常連が多数出演しているが、別の作品では夫婦だったのに、本作品では親子だったり、また親子だったのに兄妹になっていたりしている。



あれって思いましたが、
大きな違和感はない。
カカオ

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