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東京物語 4Kデジタル修復版のnowstickのレビュー・感想・評価

東京物語 4Kデジタル修復版(1953年製作の映画)
3.7
海外で鬼のように絶賛されている本作だが、個人的には、そうでも無かった。
本作は映画全体に一貫したストーリーがあるというよりも、「細かいエピソードで打順を組んで、帰納法的に起承転結を作っていった作品」だと思う。しかしそれが、小津安二郎の「一つのルールから全てを繰り出していく、演繹的な世界観」に似合っていないような気がした。
特にクライマックスの展開は、全体のテーマから外れているとまでは言わないが、唐突とも言えるし、少なくとも、「一つのテーマから繰り出されたストーリー展開」ではないだろう。カメラワークにおいては演繹的で、統一されまくっている分、その点が気になってしまった。

まあ別に、カメラワークが演繹的だからといって、ストーリーもそうである必要は無い気もするが、小津安二郎の思想からは外れているのでは?と思ってしまった。
世間的な評価が高すぎる分、辛辣な批評を書いてしまったが、悪い映画では無いとは思う。
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