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『紅薔薇は山に散る』に投稿された感想・評価

YT映像。字幕なし。23-169。マンガノ祭り。

監督は名匠マリオ・カメリーニ(1895-1981)。原案・脚本には、当時まだ若手のM.モニチェッリ(1915-2015)やステーノ(1915- 1988)名前が見える。このふたりは『シーラ山の狼』(1949)の脚本にも参加。将来の到喜劇映画を担うふたりだ。

マンガとナッザーリの組み合わせも『シーラ山の狼』と同じ。同じ復讐ものだけど、こちらは実録もの。マンガノが演じるマーラも、悲劇のヒロインとなって『シーラ』での復讐に取り憑かれた娘ロザリアとはガラリと雰囲気が変わる。また相手役のナッザーリは『シーラ』の敵役から恋人役となる。復讐にとりつかれるのは、ナッザーリは復讐される側からする側となって、主人公ムソリーノを演じる。

そのジュゼッペ・ムソリーノ(1876 – 1956)は実在の人物で、裁判のなりゆきも実際のものから着想されている。とはいえ、映画はあくまでも映画であり、自由な脚色がほどこされている。実際、ラストシーンのあとに、こんな注釈がはいる。

QUESTO FILM, PUR PORTANDO SULLO SCHERMO UN PERSONAGGIO REALE, TRATTA UNA LIBERA VERSIONE DELLA VITA GIUDIZIARIA DEL PROTAGONISTA E I FATTI CHE IL FILM NARRA NIENTE HANNO A CHE VEDERE CON FATTI REALL

「この映画は、たしかにスクリーンに実在の人物を登場させるが、主人公の裁判の物語には自由な脚色がほどこされており、映画のなかの出来事は事実とは関係がない」

ようするに事実だけど「自由に脚色したもの」(UNA LIBERA VERSIONE)であり、だからこそ物語の核心部分にマーラという美しい娘が登場することになる。史実では、逮捕のきっかけとなった喧嘩は、賭け事をめぐるささいなことだったというのだが、この映画では美しい女をめぐる諍いとなるわけだ。その美しい女を、プロデューサーのデ・ラウレンティイスは一番おしているシルヴァーナ・マンガノの演じさせる。

ちなみにマンガノとデ・ラウレンティイスのふたりは、1949年に結婚。それはまさに映画の撮影をしているころ。しかも長女ヴェロニカは1950年生まれ。つまり計算上は、映画のなかのマーラの妊娠は、その依代となったマンガノ自身の妊娠と重なっている。

なるほど。だから復讐する役目はナッザーリにまかせ、マンガノは動きが少なくて済む役を演じたということかもしれない。なにしろここでは踊りもない。馬に乗るシーンはあるけれど、落馬のシーンなんて後ろから映しているからきっとスタントなのだろう。

それから医師ミケーリを演じたウンベルト・スパダーロがいい味を出している。名脇役だけどルイージ・ザンパの『困難な時代(Anni difficili)』(1948)では、主人公のアルド・ピッシテッロを演じて見事だった。

また、キネマ旬報のあらすじがよくまとまっているのだけど、少々不備があるので、以下にまとめなおしておく。

https://www.kinejun.com/cinema/view/12657

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南イタリアの山岳地帯、カラーブリア地方の一寒村アスプロモンテで木こりを営むジュゼッペ(ベッペ)ムゾリーノ(アメデーオ・ナッザーリ)は正義を愛し、この地方にやってきた新しいボス(この地方ではヌドランゲタだが、あるいは映画のなかではオノラータ・ソチエタ、あるいはマフィアと呼ばれる)を受け入れない。「友だちのいないやつは負け犬なんだ」という脅しに対して「おれには友達がいる。良い友達がね」というと、猟銃をとって飛ぶ鳥を撃ち落とす。

町のオステリアの娘マーラ(シルヴァーナ・マンガノ)とムゾリーノは相思相愛だった。しかし、マーラの父には秘密にしていた。一方で、マフィアの新しいボスのドン・ピエトロ・ソレミは、美しいマーラを自分のものにしようとする。自分のテーブルにワインを給仕させようとするのだが、ムゾリーノがわざと邪魔をして、諍いとなる。ボスの手下がナイフを取り出す。そこに憲兵隊(カラビニエーレ)が到着。巡査部長(brigadiere, Guido Celano)はムゾリーノを店から連れ出してことなきを得る。ともかくしばらく店には入るなという部長に、ムゾリーニがいう。「それじゃいつだって奴らが正しいってことですか。この町がどうなっているかご存知ですか。ここでは誰も話さない、誰も見てない、誰も聞かない」「私に何ができるって言うんだ。部下は限られているのだから」。

時代は19世紀の終わり。リュミエールが映画を発明するころのこと(1895年)、その日はちょうど聖コジモの祭だったが、エジソンの発明したキネトスコープの前には、仲間と一緒にもうひとりのボス、ドン・アントーニオがいる。彼とその仲間は新しいボスのドン・ピエトロに追い出されてしまうのではないかと恐れているのだが、「生きている限り希望はある」と言って、エジソンの発明を覗き込む。おそらくこのとき、アントニオは、ムゾリーノを利用してうまくドン・ピエトロを消す方法を考えていたのだ。

その日の午後、オステリアでドン・ピエトロ・ソレミが何者かの手で殺害され、ムゾリーノが容疑者として告訴された。裁判は3人の村人:鐘撞男のロッコ(Rocco D'Assunta)、ロープウェイ Teleferica の管理人マルコ(Giacomo Giuradei)酔っ払い医師のミケーリ(Umberto Spadaro)の偽証により、ムゾリーノの不利に展開する。二人の関係がバレるのを覚悟で証人となったマーラだったが、その証言はムゾリーノの恋人であることを理由に採用されず、ムゾリーノには21年の懲役刑が宣告される。

ムゾリーノは復讐に燃える。一年後に脱獄、町に舞い戻ると、まずは雨乞いの行列で鐘つき男のロッコの前に現れる。ロッコはムゾリーノの姿を見るが、覚悟を決めたのか、まわりから「逃げろ」と言われても、「神よ、憐れみたまえ」を繰り返すだけ。ムゾリーノは十字を切って鐘撞男を射殺する。

警官隊が来る。追われるムゾリーノは、傷つきながらも山岳地帯に逃れる。牧童に助けられ、マーラと再会。彼女に匿われて怪我を治すと、ロープウェイの管理人マルコを射殺。残るは酔っ払い医師ミケーリだ。

しかし、この間にムゾリーノはマーラが彼の子どもを宿していることを知る。それでも復讐のためにと、ムゾリーノはマーラを残して、医師を殺しに出かけてゆく。しかし、その前に立ちはだかったとき、最後の仕事をさせてほしいと頼まれてしまう。医師はこれから難しくなりそうな出産の立ち会いに行くというのだ。願いを聞き入れるムゾリーノ。子供の出産を窓の外から眺めている。

翌日、家で寝ていたマーラは、窓の外からヴェルディは『トロヴァトーレ』の「All’armi」を歌う声を聞く。ミケーリ医師がいつも歌っているアリア。みれば、出産の立ち会いを終えた医師が家に帰ってゆくところだ。心配になったマーラは、ムゾリーニのもとに向かう。そのあとを、ドン・アントニオの手下が尾行している。ムゾリーノは、隠れていた納屋を取り囲まれるが、火を放って馬たちを解き放して難を逃れる。しかし、一緒に逃れたマーラが体調を崩して倒れてしまう。

村の結婚披露の宴にムゾリーノが現れる。参列していた医師を拉致し、マーラを診断させる。命を救われた医者は、2人を外国へ逃がすため金を渡すと申し出る。マーラとムゾリーノは、その金で新天地でやり直そうと決意する。しかし、翌朝、金を持って約束の場所へ向かった医者だが、それを知ったドン・アントニオに撃ち殺される。ドン・アントーニオは次にムゾリーノを狙う。教会に結婚を届け出ていたムゾリーノは、寒いだろうと自分のマントをマーラに被せてやる。そして外に出たところで銃声が響く。マーラが倒れる。銃を構えていたのはドン・アントニオ・スケビージ。すべてを知ったムゾリーノはドン・アントニオに迫る。

ライフルに新しい銃弾を込めようとするドン・アントニオは、ライフルを構えて「動くな」と迫るムゾリーノに、「ペッペ、撃たないでくれ。なんでもやるから。金ならある」と懇願。「じゃあ、撃たないでやる」と叫んだムゾリーノ、ライフルを捨てて殴りかかる。白く乾いた砂埃を上げながら、岩場を転がり落ちるふたり。アントニオがナイフを出してのしかかる。ムゾリーノが体勢を入れ替える。そこあった岩をとると、馬乗りになって大きくふりかざす。「やめくれ」との叫びのなか、1回、2回、そして3回と振り落とされる岩。

立ち上がるムゾリーノ、天に向かって叫ぶ。「神よ、許してくれなくていい。それでも、感謝をささげるます。Dio, tu non mi perdoni, ma io ti ringrazio lo stesso.」。

ラストシーン。夕刻。カラビニエーリの本部。ムゾリーノがマーラの亡骸とともに出頭してくる。愛する人に別れを告げると、銃を差し出すムゾリーノ。一瞬崩れ落ちそうなるが、巡査部長に支えられ、廊下の奥へと消えてゆく。