今日この上映の前にものすごく喋る映画を2本観ていたこともあり、映像、音、言葉、身振り、何が映画を前進させるのかということを考えながら観た。
音楽のための映像とは言っても映像は撮られたらもう固定されてしまうもので(濱口さんもトークで不変のものと言っていた)、それに合わせる即興演奏といえど限られた範囲での自由ではないかと観る前は疑心暗鬼だったけど、観ながらこのシーン今の音じゃなかったら別物だ、サイレントだったなら、などと思い、その瞬間瞬間で生演奏の音と合わさりメロディーの中の一音のように場面が生まれていき、それが連なり映画全体が都度別様になりうるという点では音楽のような映画という説明に納得がいった。石橋さんの音楽のための映画というコンセプトだけど現場はセッションという感じでよかった。贅沢なこと言ってしまうと石橋さんのドラム前に見てとてもかっこよかったので、サンプラーでなく生で叩くバージョンもよさそう。
それで悪は存在しないはどうやらかなり良さそうな気がする。ハッピーアワーの俳優さんも出ていて嬉しい。主演の方は元々スタッフだったところロケ中に主役抜擢されたとのこと。それで銀熊取るって…飄々とした濱口さんの喋りにはいつも空恐ろしくなる。
