さら

GIFTのさらのネタバレレビュー・内容・結末

GIFT(2023年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

音としてのセリフがない分情報量が少ないのかなと思っていたけど、ひたすら演奏を摂取するので逆に情報量がとてつもない。

文字(音として聞こえる言葉も含めて)は座標的な感じで物理的な重さはあまり感じないけど、今回のような音楽は音が点では表現できない状態…間の情報がすべて抜かれることなくみっちり詰まったまま存在していたというか…とにかく音として受け取る情報が厚い。それはもう普通に映画を見た時の数倍頭が疲れるくらい。

劇場に来ている周りの方々は映像などの表現系のお仕事をされている方なのではないかなと感じた。「素晴らしい演奏」といったように、あの音を、空間を、「演奏」と捉えられるだけの感性が育っているというか。トークセッションでもすごい勢いを感じたけど、私はあまりついていけなくて、自分にはまだ少し早かったのかなとも思った。私が鑑賞した回(=2024Mar19於渋谷PARCO劇場、8回目の演奏とのこと)は冒頭部から普段聴きなれない低音(例えるならば個人的にはモスキートーンの低い版?のような)が続き、その圧がものすごくて、それが不穏に感じられて…。耐性のない自分には最後まで聴き切れるのか不安だったのが正直なところ。無音だったのは女の子のシーンくらい?表面的過ぎるかもだけど、ピュアな心、、という表現か?と受け取ったけど、みんなどんな解釈しているのだろう。

普段自分がどれだけ言葉に頼っているのか(そしてそれがいかに記号的な?もなのか)見せつけられたような貴重な経験。

ただ実際に終わってみると1時間20分ほどもあったとは思えず驚き。やっぱり同じ素材で作られたという『悪は存在しない』も観に行きたい。
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