ごん

あんのことのごんのレビュー・感想・評価

あんのこと(2023年製作の映画)
4.1
老人ホームの施設長が言っていた「母親がもっているものを君が背負う必要はない」という言葉は、シーンのなかですごく考えるものがあった。
それでも、あんちゃんが背負わなければならなかったもの、しがらみは、多々羅さんや桐野さんとの過ごした時間においては、解放される瞬間があったのかな…そう願いたい。

私自身も、この言葉の意味、日常のなかでも考えることがある。誰かを救いたいとき、寄り添いたいとき、自分と他者は違うと簡単にいうけど、背負わずしてその人のためになるということがあるのかな。だからといって、同じ気持ちになろうとすることも正解だとは思わない。
まだまだ、わからない。
多々羅さんの背景にあるものがすごく知りたくなった。

コロナ禍の出来事、自分の辛かったことが喉の奥がキューっとなるように頭の中で蘇ってきた。分断に分断を重ねられて、自分自身の守り方もあのときわからなかった。一方で、分断の壁によって自分が見えなかった人たちの苦しみや嘆きを想像すると、もっともっと心苦しい気持ちでいっぱいになる。

書ききれないけど、いろいろな思いがゆらゆらしてました。
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