河合優実がめちゃくちゃタイプだからという理由で観に行った自分を60mの助走をつけて全速力で殴りたいくらいに凄まじい作品だった。
テーマは「市子」と似ていて、目を背けたくなるような宿命を背負ってしまった少女の生き様を描いているが、本作は実際にあった事件をもとにした映画。本当に信じられない。
冒頭にこのことを告げられるテロップが表示され、ドキュメンタリーチックな映画なのかと緊張感が走るが、蓋を開けたら驚くほどエンタメ映画であった。
救世主との出会い、更生、幸せな生活、新たな試練、テンポよく進むストーリーに引き込まれ、スクリーンに見入ってしまった。
辛く、残酷なシーンが続き、館内では啜り泣く声もちらほら。河合優実の迫真の演技、佐藤次郎の安定感、素晴らしすぎる。素晴らしすぎて恐ろしい。河合優実はこのまま演技の世界を駆け上っていってしまうのだろうと圧倒されてしまった。というかどの俳優の半端ない。恐ろしい登場人物が次々と出てくるのでぜひ劇場で確かめてもらいたい。
入江悠監督作品はこれが初。多くを語らないがこちらに伝えるには十分なカットの数々に驚いた。他の作品も観なければと感じた。
自分はまた観るには少し心の準備がいるが、絶対に今年観るべき傑作。
