このレビューはネタバレを含みます
万引き、売春、ドラッグ。
杏のせいで始まったものは何一つなかった。
更生途中で得た信頼できる人、介護施設での労働、学校。
これらを奪われたのも杏のせいのものは何一つなかった。
押し付けられた子供を手元から失ったのももちろん杏のせいではない。
母親や周りの大人たち、コロナのせい。
今回記事だけは攻め辛いが誰かを救うけど誰かを殺す。
なぜ杏だけがあんなに苦しみ自死しなければならないのか悔しくて堪らない。
でも街中で杏とすれ違ってもそれに気付かず過ごすのだろう。そう思うとやり切れない気持ちになる。
しかし辛い映画だったのにあっという間の二時間だった。見ていて苦しい時間が多かったにも関わらず引き込まれたのは河合優実や佐藤二郎らの演技が素晴らしかったからだと思う。