期待しすぎたか?遂に最近の邦画への盛り上げ方いろいろ間違っているのではと感じてきた。SNSや各メディアから絶賛の嵐であった今作。世界に入り込んだようなカメラは、見る者の感情を大きく揺さぶる。しかし登場人物から成る世界観の構築にかなり違和感を持った。個人ではなく社会を映しているのだろうがかなり無責任に感じ全体主義に陥っているようにしか見えない。横暴な警官、報道/上司に囚われた記者、毒親から逃れられない少女。彼らが抱える問題は各々別であるにも関わらず、そこに超高齢化社会問題、政府のコロナ対応等も追加され、結局杏という人物を撮りたいのかこの日本社会を批判したいのがわからなかった。結果私は少なくともこの作品のテーマはなんだったんだろうと考えた時、何も残っていなかった。幼児の登場もブルーインパルスの描写も思いつきでやっているようにしか思えない。母親の登場も1回目は説明の様に会話と描写が挟まれたのにも関わらず2回目は突然目の前に登場して、は?これを完成度が高いと言うのは違うと思う。180分あれば変わったかもしれないが。
右から左にスイッチがパチっと変わる様がミカエルアース監督を想起させるのも個人的にはよくなかった。