R41

ビーキーパーのR41のレビュー・感想・評価

ビーキーパー(2024年製作の映画)
4.1
アメリカンスタイルど真ん中の作品に感じてしまう。
アメリカ人は決してこの型から逃れられないと断言できるほどだ。
そして彼らが絶えず待っている「ヒーロー」
おそらくそれは形を変えた「イエスキリスト」だろう。
どうにもならないことに対する最後の解決手段は「審判の日」の前にヒーローの出現でなされるべきだと痛烈に感じているのだろう。 
そして、
いくつかあるこのような型の中で今回使用されたのが「ランボー」だろうか。
この作品が今年発表された背景
それは昨年大統領選挙があったことが伺える。
カマラハリス
DSと呼ばれる連中の推した人物
これは、それを仮定した作品だったのかもしれない。
従来のヒーローが相手にしてきたのは「悪人」そのもので、例えばマフィアのボスやジョーカーのような人物… この作品にもそれが明確に描かれていた。
時にそのボスは公安の長官だったり政治家に及ぶこともあったが、今回はいきなり大統領だった。
それが意味するものを想像してしまう。
ただ、
救いとなったのは、大統領である彼女がこの件について国民に端然と発表すると息子に伝えた点だろう。
仮に彼女がハリスを想定したものであっても、最後の正義の種を描いたのは、もし彼女が真の悪人である場合、もうアメリカは救いようのない国家になってしまうからだろうか。
この点だけは国家の砦として監督が押さえておきたかった部分だろう。
さて、
アダム・クレイ
本当にあるかどうか知らないが、彼が所属していた秘密組織 工作員
辞めたメンバーが組織と連絡を取って情報を得てしまうという設定は、映画にとってはなくてはならないのだろう。
彼が対峙する悪の描き方も徹底していた。
どうしても感じるこの型の古さはアメリカでは鉄板なのだろう。
悪い奴らに同情の念は1ミリも感じない。
このわかりやすさをアメリカ人は求めているのだろうか?
目的達成後の脱出手段も用意周到だった。
さすがは一流中の一流工作員。
誰も真似できない。
さて、、
タイトルであるビーキーパー 秘密組織名
そして本当に養蜂家として生活しているアダム・クレイ
彼にやさしくしてくれた近所のおばさんがフィッシング詐欺で自殺したことが彼が動き出す動機だったが、おばさんの娘がFBIである必要が自殺後に実家に帰ってきてアダムと対面するという設定のため。
この設定が必要だったかどうかは悩ましいところ。
そして絶えずアダムの犯行後を追うしかないというのは、如何にアダムが優れているかという演出のため。
元CIA長官が大統領の依頼でバカ息子の会社の相談役となっている現状
元長官が誰を相手にしているのかを知り嘆くという面白さはある。
彼はすでにどうなるか予想しており、あきらめてしまっている。
これは、もしかしたら新しさだったのかもしれない。
最後にアダムはFBIの彼女に言う。
「なんのために働く? 法律は正義か?」
これが監督が言いたかったことだろう?
トランプが作った法案をことごとく廃止し、新しい法案を作ったバイデン
それによって変わってしまったアメリカ社会
この言葉はバイデン政権で変化してしまった公安全般に対するアメリカ国民の代弁だろう。
このひとことのために、この映画が作られたと解釈した。
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