「断らない救急」を謳う救命センターの日々を記録したドキュメンタリー映画。
「エマージェンシーコール 緊急通報指令室」という、不定期に放送される NHK のドキュメンタリー番組が大好きなのだが、本作はその119番通報を受けて救急車が搬送した先の世界を描く。
大きな事件やショッキングな映像は一切登場せず、ひたすら救命センターの日常を記録する。子供の鼻に詰まってどうしても取れないドングリとか、ただ寒いだけなのに腹が痛いと言って歩いて来るホームレスとか、希望配属先に悩むインターン達とか。
そしてコロナ。第1波からしばらくは恐らく撮影自体ができなったのだろう。描かれるのは第5波以降。それでも鳴り止まぬ救急車からの受け入れ要請の電話。受け入れたい気持ちと、満床という物理的な限界。目が死んでいく医師たち。
なんかもう途中から理由もわからず涙が流れ出して、岡田斗司夫曰く「感動は罪悪感の裏返し」ということなのだろう。
最後に幾つかの救いもある。
今年一番の掘り出し物、といったら失礼だろうか。