令和時代にあぶない刑事を作る意味はあるのか、その問いに対して「そんな冷たいこと言うなよ」って言いかけてくるような、意外にも面白い映画。
今の時代にこういうノリって必要なんだなって痛感したし、今だからこそ作られた感も。
ニュージーランドで探偵免許を剥脱されて、8年ぶりに日本に帰国、古巣横浜に戻ってきたタカ&ユージが、その地でも探偵として開業して、また事件に巻き込まれると言う定石通りの展開。
作中でも透から言及されてる通り、タカもユージもハッキリ言って結構ないい年で、フレッシュさに関しては「さらば」以上にない。
そもそも本作では二人はカタギで銃の携帯が出来ないし、ニュージーランドを事実上の出禁されたのだってあぶない事をしたからっぽいし。
透のキャラはいつも通り。仲村トオルがどんだけ大物になってもタカ&ユージの前ではいつまで経ってもトロイ動物になる(一応向こうはもう民間人なんだから最初から多少は強気で行けよ)。
そして、薫に関しては結構トホホな役回りで出てくる。
「さらば」でタカに檄を飛ばした時点でキャラとしての役割は終わっていたかな、と言う印象。
敵役の格もそれほどだったが、正直言って楽しめたし、「ペーパームーン」的な疑似家族ものとしても、シリーズの真の締めとしても申し分ない、令和に作る意味があった映画である。
(それにしても平成期のあぶ刑事劇場版は、「さらば」以外なかったことにしたんかな? どう考えても「フォーエヴァー」と「まだまだ」の間の出来事が回想で挟まって矛盾が生じるのだが)。