ぶみ

バッドランド・ハンターズのぶみのレビュー・感想・評価

バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)
3.5
The world has come to an end.
The world calls upon the hunter.

ホ・ミョンヘン監督、マ・ドンソク主演による韓国製作のアクション。
大地震により荒野と化したソウルで、狂気の医師に捕まった少女を助け出そうとする主人公等の姿を描く。
ハンターである主人公ナムサンをドンソク、狂気の医師ヤン・ギスをイ・ヒジュン、ギスに捕まってしまう少女スナをノ・ジョンウィが演じているほか、パク・ジフン、チャン・ヨンナム、ソン・ビョンスク等が登場。
物語は、無法地帯となったソウルを舞台として、スナを助け出そうとするナムサン等の姿が描かれるのだが、冒頭、ナムサンが狂暴化したワニを仕留めるシーンがあり、いきなりなかなかのバイオレンス度を誇っていると同時に、原題が『荒野』であるのに対し、邦題にハンターの文字が躍っている所以と感じられたところ。
以降、マッドマックスかのように退廃した世界を舞台に、スナを救うべくナムサン等が進んでいく姿が描かれるのだが、そのスナが捕らわれているとされる建物が、瓦礫の山のなか唯一そびえ立つアパートであり、それはまさに、現在も公開中であるオム・テファ監督、イ・ビョンホン主演『コンクリート・ユートピア』の舞台となっていたファングンアパートそのもの。
公式サイトに書かれていないものの、どうも本作品は『コンクリート・ユートピア』と世界観を共有しており、時代設定も大災害から3年後を描いている模様。
ただ、共通のキャラクターは登場せず、台詞等でも過去のことは語られないため、続編というよりも、世界観のみを共有したスピンオフ的な作風となっている。
また、前述のように、冒頭のワニのシーンを筆頭に、なかなかのグロさとバイオレンス度を誇っていることから、苦手な方は要注意である反面、ドンソクの相変わらず愛らしい体系とその無双ぶりのギャップを楽しめたのは良かったところであり、残虐性とコミカルさを同居させた展開は、韓国作品らしいところ。
『コンクリート・ユートピア』が、大災害直後の人間ドラマをサスペンスタッチで描いていたのに対し、本作品はコメディ調のバイオレンス・アクションに振り切っているので、これはこれで違った面白さがあり、ドンソクがいれば、どんな世界でも安心だなと思える一作。

新人類になるには、資格が必要よ。
ぶみ

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