土平木艮

神の道化師、フランチェスコ デジタル・リマスター版の土平木艮のネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

⚫︎どう受け止めたらいいのか困惑する作品。
⚫︎登場する『聖フランチェスコと仲間たち』は、役者ではなくて本物の修道士さんたち。
⚫︎かなり有名な『聖人』が登場する作品だし、監督も『巨匠』と言われる人。なので真面目な顔して観ないといけないとの認識で鑑賞スタート。でも、それだと『観てられない』感じになってくる。監督がどういうつもりで作ったのかは知らんけど。
⚫︎序盤、何かあれば嬉しくて聖歌を歌い出す場面などはミュージカルの様相。
⚫︎キャラの強いジネプロ、もう一人個性的なジョバンニが出てきた辺りから、もうコメディを通り越してコントの様にも見えてしまう。実際、声出して笑ってるお客さんもいた。
⚫︎でも、これ観て笑ってる私達と、聖フランチェスコを笑ってた当時の人達って、同じなのかも知れない。
⚫︎作中で『どんな理不尽な目にあっても、それこそが真の歓びだ』って聖フランチェスコが言ってたけど、それだと何だか『カルト』と変わらないんじゃないか?と感じる。まあキリスト教もイスラム教も聖フランチェスコの一派も、世に出た当時は『カルト宗教』扱いだったんだろうけど。

⚫︎『人の家の豚の足をぶった斬って持って帰って来たり』、『15日分の食事作りました。当分食事の準備は要りません』とか言い出したり、『布教に出向いた先で、暴君に殺されかけたり、人間縄跳びにさせられたり』…やはりジネプロのキャラが強烈過ぎる。

⚫︎『シスター・キアラと素晴らしいひと時を過ごした』の件は、ほぼ『合コン』。


⚫︎鑑賞開始直後は『???』って感じだったけど、最終的には不思議とホンワカした気持ちになってた、妙な感じの作品。
土平木艮

土平木艮