ポーランド映画祭にて。

タイトルのシュブクは主人公のクバを逆さ読みしたものだった(ちなみに英題はBackwards)

自閉症の息子とその母親の奮闘の10数年間。教育システムの不備を個人の訴えかけから動かし見直しさせた実話ベースの物語。

息子が生まれた頃から描かれ、父親の非情さを最初に見ただけに、再度登場した時は都合よすぎる人だなと思ってしまう。ちなみにあの父親はちょうど前日に観た「月への片道切符」主演のフィリップ・プワヴィアクだった。

それはさておき、このお母さんわりとドン底で最悪の展開を想像してしまった。息子の世話と生計を立てるための職探しの両立は困難を極め、自閉症に理解のない周囲や学校の姿勢に苛立ち、限界スレスレだったことがわかる。
とあるシーンは一瞬ビックリした。

それでもなんとか息子を育て、理解者をみつける。それだけでも強さに感心してしまうが、このお母さんはそれ以上。
すべては息子のため。それと息子との生活で身に染みて感じた教育システムの不完全さ不備ゆえ。

自分達が不利を被ったからという理由だけではない、他にも同じ思いをする人々がいて、今後のためにも行動に出たのだろう。

決して完璧な母ではなかったが、制度への不満と息子への愛ゆえの行動力に感心するばかり。

深い作品。長い年月を経て元恋人と再会するが、子供の年齢考えると、二人、特に元恋人があまり加齢した印象ないところが少し残念かな。でも、良作だと思います。