もとまち

緋牡丹博徒 お竜参上のもとまちのレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒 お竜参上(1970年製作の映画)
3.9
驚異的な長回し。画面の奥と手前を跨ぐことで会話の中心人物が入れ替わり立ち代わる。早撮りとは到底思えぬ密度の人物配置と動線設計。パチッパチッと音が聞こえてきそうなほど全ショット常にキマっている。有名な雪の舞い散る橋の上で描かれる静かな「別れ」は、『花札勝負』における高架下の傘渡しに並ぶ名シークエンス。何気に階段落ちと人の落下が多いのも嬉しい。盲目の少女がお竜さんの顔に触れるアバンタイトルがかなり好きなのだが、加藤泰の描く緋牡丹お竜は他にはない実在感がある。
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