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緋牡丹博徒 お竜参上のhabakariのレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒 お竜参上(1970年製作の映画)
4.0
加藤泰の手捌きは分かりやすく天才的だ。遮蔽物による大胆な画角の削り取り、シネスコの横幅を活かしたドラマの重層化、ローポジによる和室の奥行きの強調、シンメトリーの審美性、極端なクローズアップ。雪降る橋の上での藤純子と菅原文太の逢瀬なんて、演出・撮影・美術全てにおいて死角がない。こぼれた蜜柑を追う二人→立ち上がっての目線の交換のカッティングに痺れる。唐突に訪れる終局ですら、よくわからないが格好良く見えてしまう。天才かよ。
あと、馬の速さを正しく描ける作家は皆偉大。
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