イチロヲ

緋牡丹博徒 お竜参上のイチロヲのレビュー・感想・評価

緋牡丹博徒 お竜参上(1970年製作の映画)
3.5
東京浅草を訪れた女博徒(藤純子)が、不当な縄張り争いに巻き込まれている芝居小屋を支援する。明治時代を背景にして、気骨ある女博徒の活躍を描いている、人気シリーズ第6弾。

加藤泰&鈴木則文の黄金タッグと多彩な常連俳優によって完成されている作品。明治期の浅草を再現したセット撮影が空前のスケールを誇っており、関東大震災で消失してしまう凌雲閣がアイコン的に登場する。

「女博徒が移動する→若い男女と出会う→渡世人(菅原文太)と出会う→アラカンの客人になる→おやっさん(若山富三郎)が助太刀に来る→アラカンが虫の息になる→敵対者(安倍徹)にカチコミを仕掛ける」という、シリーズの雛形に当て嵌めたもの。

正義の名のもとに殺害行為をする主人公が、「素足に草履履き」という出で立ちを貫くことで、自己相対化に努めているところが印象的。藤純子と文ちゃんが肩を並べる場面が、美しくもあり、恐ろしくもあり。道端で遭遇したら、条件反射で土下座するレベル。
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