「ブレードランナー」の原作者がフィリップ・K・ディックということは知っていたが、この映画と「トータル・リコール」も同じ原作者とは知らず、また、未視聴だった。
れっきとしたSF作品であるが、思ったよりミステリー色・サスペンス色が強く、面白く見進めることができた。
SFが予見する未来がその後、かなり核心を突いていることがよくある。しかしこの話の場合、AIのようなものではなく、予知能力の高い人間が未来予測をするという設定であるため、フィクションの世界から脱することはないであろう。
高官就任パーティで事件の映像が会場に流れるシーンは、最近のアメリカドラマ「ポーカー・フェイス」で使われていた。
印象的だったのは、様々な未来的なツールが出てくる中、犯罪予知の装置が、コンピュータディスプレイに表示されるのではなく、木製の玉が色分けされてゴロゴロと出てくるのが縁日のようで、何とも不釣り合いなのが興味深かった。もちろん意図してのことだろうから、その意図が知りたい。