ミニシアターとりっぷ

WILLのミニシアターとりっぷのレビュー・感想・評価

WILL(2024年製作の映画)
3.8
東出昌大の私生活での(自身でも明言している)クズっぷりはなかなかなものだけれど、それと人間的な魅力はまた別物なのだな、と思う作品。

このドキュメンタリーにおいては俳優・東出ではなく、狩りをするために山をヘトヘトになるまで歩き回り、獲物がとれれば解体し、質素な小屋に戻って飯を食らい酒を飲み酩酊する「でっくん」(と地域の人に呼ばれている)である。

彼は「監督の目を通して様々な事実を突きつけられた」と言う。
エエかっこしいではできない狩猟、ちらりとこぼす自身の子供への思い‥‥。

件のバッシングに関しても「言いたい奴には言わせておけ、やりたいことはやる」というスタンスは、開き直りではなく、本心なのだろう。それは他人の目を常に気にしながら生きている人から見ると、妬ましいほどの清々しさではなかろうか。

純粋な人、という印象。
恋人や夫にするには向かないが「ちょっと変わった近所のお兄ちゃん」としてはとても面白い人なのではないかと思う。