黒猫式

WILLの黒猫式のレビュー・感想・評価

WILL(2024年製作の映画)
4.5
奇しくもゴールデンカムイの越えられない壁をリアルで超えていく狩猟を通した生命の食育。
子供達の「かわいそう、だけど肉は美味しい」という真理の前にはどんな綺麗事も敵わない。

東出と宮地監督双方の知人であるMOROHAのライビシーンが定期的に挿入されるが、あたかも口数の少ない東出の内心を代弁しているかのような演出。

不倫スクープにより都会を離れ山での暮らしを選んだ事が彼にとっては安全弁として作用したと思われる。

ただし狩猟者としての良い面と悪い面、例えば食べる為に獲るという狩猟に対し、獣害対策としての個体数調整の為の「補助金が出る狩猟」に対しては一定の問題提起をしている。

そして山にまで突撃してきた週刊誌の記者と何故か仲良くなってしまい、東出のスクープ写真を撮ったカメラマンが何故かボコボコになった東出のプリウスの外装を勝手に直している姿は割とカオスである。
更にカメラは別の取材にきた週刊文春の記者にも゙向けられ、スクープを報じる側の意見まで引出しているが、これが狩猟時の東出の葛藤と似ているのが興味深い。
黒猫式

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