ロゼック

WILLのロゼックのネタバレレビュー・内容・結末

WILL(2024年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

俳優という彼の生業と対にある山での野生的な生活は、どういう学びや葛藤を与えるのかというところと
もともと猟銃免許に興味があり鑑賞してきた。

自分に嘘をつけない(から欲に忠実)、人を信じやすい(から人間社会がしんどい)であろう東出さんの悩みや転々とする気持ちが赤裸々に映されていた。

当たり前だが、メディアには誰かからの金が流れているから、何を見せるか見せないか業界で決められている。俳優はピエロになれなきゃいけない。長いものに巻かれた方が楽だと思うし、逃げ道を消しながら沼に片足入れられてみんな沈んでいくか跡形もなく消えていく。でも東出さんは入らず、でも消えず。だから酷く晒されて守り盾を簡単に失った。あからさまには書けないけど、ピエロになれない大和魂のある方にはなかなか厳しい世界。

そこで狩猟を始めたのは本当に良かったと思う。我々は命をいただいている。生きるとはなんだろう。なぜ人は物差しを掲げて、お眼鏡にかなわないと言動で攻撃するのか。あなたの命はいつ終わるかわからないのに、この死ぬまでの限りある時間を、そんな自分のちっぽけな価値観をひけらかす攻撃に費やすのなら、命に向き合うわ...そのような考えを東出さんが口にしていた。すごく共感した。

私は、肉体は内臓と魂の入れ物に過ぎないと思っているし、欲を求めすぎる人間という動物が好きじゃない。(勿論自分自身のことも)
ある方が、人間は地球の癌だと話されていた。しかし、自分は良性腫瘍でありたいから、自分のために狩猟をすると。
すごくしっくりきた。これだと思った。

音楽も良い、内容も良い。
ロゼック

ロゼック