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ゴースト・トロピックの特売小説のレビュー・感想・評価

ゴースト・トロピック(2019年製作の映画)
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錦糸町から船橋競馬場駅まで歩いた実績を持つ、即ち夜の散歩に於いては剛の者を自負するあてくしとしては。

たまさか夜を往く事になってしまった婆さんと、多くは孤立した負け犬であるところの夜の住人との交流を描きながらなにをか浮き彫りにしてくれるならそりゃあ好いに決まってんじゃん、俺好きなやつじゃん、という気持ちで臨みまして。

なんじゃこりゃ、となりましたよね。

アバンの独白にある通り一個人に認識可能な範囲でのみ紡がれる映画、ですからして結末もなしに途中でぶん投げられるエピソード未然の代物が連発される仕様は、偏狭で幼稚ながら想像力の一つや二つくらいは俺だって持ってるもの、しかし問題じゃあなくて。

犬が凍死を免れたと判る下りはなに、あんた千里眼でも持ってんのかよ、と。

受付時間外だ、つってんのに迷惑だろうがなんで聞き分けねえんだこの自己中が、と。

手前の密告で彼は職を失うだろうし店自体もまた閉店に追い込まれるかもしれない、となれば常連さんたちゃ困り果てるし或いは周辺の治安も悪化するかも分からんだろ、と。

その場所でしか生きられない人間てのは確実に存在すんだよ、それなりのルールの下に呼吸してんだよ、それは排他的な考えではなく自衛の為の経験則なんだよ。

という事で感想としてはただこの一言、感傷的マンズリ大会なら余所でやれ干上がり婆めが、と。
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