人気のない地下鉄駅でエスカレーターがガシガシとイカつい音を立ててる冒頭の場面から、もうヨーロッパの大都市の夜の空気が溢れてて、好きで堪らなくなった。
郊外(というか都会の周縁部)の深夜の情景、オレンジ色の暗い街灯の下、移民の人たちが立ち現れる感じが優しく映し出されてて、なんだか胸が詰まった。
生活に疲れてる人たちが、ギリギリできるところで他人に手を差し伸べていく姿がとても良かった。
17歳の娘のエピソードも印象的で、
その横顔がまさに「その子二十 櫛にながるる 黒髪の おごりの春の うつくしきかな」という感じ。