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沖縄狂想曲のごーのレビュー・感想・評価

沖縄狂想曲(2024年製作の映画)
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沖縄の米軍基地問題を撮ったドキュメンタリー

「国民の無知、無関心、政治家の無責任、官僚の無能力」のおかげでなにも変わらない、という言葉が刺さる。

現在、莫大な国家予算がかけられて辺野古の基地建設、特に埋め立て工事が行われているが現地の軟弱な地盤のため工事が進んでいない。実は米軍は以前に調査をしてこのことを知っており、当時米国の会計監査院の許可が下りず基地建設を断念した経緯があった。日本の予算は当初の3000億から現在は9000億、沖縄県の試算では2兆5000億まで膨らんでいるという。
ここまでの大金をかけて建設中の辺野古基地、実は重大な欠陥があり滑走路が短くオスプレイの運用に耐えない、とかそもそも海兵隊の後方(グアム、オーストラリア、ハワイ)への移転が計画されていたりと、完成してもどれだけ使われるのか疑問であるらしい。

アメリカ側に有利な条件となっている日米地位協定。ドイツやイタリア、韓国にも同様の協定があるが、米軍の事故や事件について現地国の捜査権がないのは日本だけだという。

極東の中心という沖縄は米軍にとってこの上ない立地であるが、それは民間でも同様であり大田昌秀元知事の国際都市形成構想があったり、現在ではANAの航空貨物運輸のハブとなったりしている。

普天間基地の「最低でも県外」との発言が話題になった鳩山由紀夫元首相のインタビューに時間が割かれている。彼によると日本の憲法よりも上位に存在し、総理大臣でもその中身に触れることのできない「日米合同委員会」という組織があり、過去に1000回以上開催されたがたった4回しか議事録が公開されていないという。このことは予算委員会でれいわ新撰組の山本太郎代表に指摘された。

この他にもコザ蜂起、オスプレイ、横田ラプコンのことなどにも触れられており、見応えがあった。
この問題に関心を持ち続けようと思う。
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