映画館で3Dで観た。SFではなくドキュメンタリーで3Dなんて画期的だし、まるでダンサーたちと同じ空間で鑑賞しているような錯覚になって素晴らしかった。
その後なんどもレンタルして繰り返し観るのでこれはもう自分にとっての大切な映画ということでついにDVDを購入。今再び観るもやはり新鮮かつ心が穏やかになる。
コンテンポラリーダンスは理解しづらいけれどピナ・バウシュは「感じることが大事」と言っているからそれに従うと、この作品の中には喜怒哀楽、愛すること別れる辛さ、嫉妬、年老いていくことは悪くないという肯定・許し、美しさ、醜さということが伝わってくる。
ダンサーが演じている役たちのリレーションシップ(この嫉妬は相手が浮気したからか、とか)の説明がないままに表現されていて観る側に想像するもよし、せずもよしで解釈を自由に託されていてそれもまたいい。
またダンサーたちの踊るために鍛えられた身体のかたちとしなやかな動き、スッと伸びた姿勢の美しさにもプロとしてのストイックさが滲みでていて目が離せない。
そしてなんといっても、ダンサーが踊る背景。ヴッパタールの街並み、ベルリン絵画館のエントランスはドイツ一人旅を思い出す。ヴッパタールの川の上を通るゴンドラに乗り途中下車したあの景色を眺めたのを。
とても好きな作品だけどひとに勧められないのは個人的体験が影響してるからなのだ。
これも大事なんだけどシーンに応じて変わる音楽がやはり素晴らしい。