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かごの中の子供たちのCHEBUNBUNのレビュー・感想・評価

かごの中の子供たち(1988年製作の映画)
4.5
【こんな団地ともおは厭だ】
『ひめごと』などのエロ映画で有名なジャン=クロード・ブリソーの初期作にして、カンヌ国際映画祭カメラドール受賞作品。

本作は、SFかジャック・タチかと思い程の異様な光景から始まる。人類が滅亡した世界に見える団地が映し出される。少年は、新居に向かう。その途中で火災が起きているのにスルーする。この時点で、この団地厭だと思う。団地で団欒できる訳がない。

そして、放火犯の少年にカメラが映る。住人は保護者に詰め寄る。しかし父親は「俺の息子を殴るではない。」と言いながら、その放火犯である息子を殴る。「殴っていいのは俺だけだ!」

話としてはありがち。ひ弱な少年が暴力的な少年に惹かれていく。しかし、二人は引き離され、ひ弱な少年は女に恋をする。それを暴力的な少年は知り、、、という面白いが、結構似たような話あるよねっという感じ。

しかし、本作は徹底したシュールな暴力で世界を支配することで、ひ弱な少年が暴力に惹きこまれていく様子が効果的に描かれている。

そして、鑑賞後ずっと心に本作の刃が刺さり離さない。思わぬ傑作であった。
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