ひろぱげ

けんかえれじいのひろぱげのレビュー・感想・評価

けんかえれじい(1966年製作の映画)
3.2
個人的清順祭り第6弾。

日活スター(当時)高橋英樹が、喧嘩(っていうか抗争)に明け暮れるバンカラ旧制中学生を熱演。下宿のお嬢さんに恋心を抱きつつも純情が故になかなか想いを叶えられず、彼女がいつも弾いてるピアノの鍵盤に事もあろうにチ○コを打ち付けて不協和音を鳴らしちゃったりしたりして。。。

ただの硬派なバンカラ映画じゃないのはさすが鈴木清順先生。
竹刀一振りで夜桜がハラハラ舞い散ったり、「スッポン」が指で弾いた豆が先生達の鼻の穴を狙い、その後下駄でのスケーティング!だったり、会津の教室で、先生と生徒達のコール&レスポンスでは、画面をそれぞれ黒く潰してみたり。なかなか魅せてくれる。

あの障子越しに指を合わせる別れのシーンは素晴らしいなあ。まさに「えれじい」って感じ。

そして奇しくも今日は2月26日*。ラストで唐突に「東京では戒厳令か・・・」とか、カフェで見かけた謎の人物があの人だった!などと二・二六事件がぶっ込まれてきたわけであるが、その後主人公 南部麒六がどうなったのか?実は続編の構想があったそうだが、実現していない。

(*さらに奇しくも「スッポン」役 川津祐介の命日じゃないか)

反骨と反抗の人 麒六の格好良さと格好悪さが併存したなかなかの痛快作。
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