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まだ明日があるのScriabinのレビュー・感想・評価

まだ明日がある(2023年製作の映画)
5.0
素晴らしいフェミニズム映画。『そして私たちは愚か者のように見過ごしてきた』と同様、何よりもその思想の強さ、エンパワメント映画として好きになれる。

オープニングシーンはネオレアリズモ時代の映画の批判にもなっていると思うのだけど、それは日本で言えば小津映画に適用できはしまいか?女性のああいった姿は本当にどこにでも見出せる。それこそ小津映画の中とか。

最後のどんでん返しはひたすら上手いなって思ったけど、映像としての面白みには欠ける。面白い部分はいくつかあるが、全体を包括するほどの強烈な工夫は見出せない。『笑いの王』も単に主題や舞台が好きというだけだし、『そして私たちは…』も主題しか好きじゃない。要するに小説や演劇でもできそうだということ。だけどそういう映画らしくない映画が好きだから、イタリア映画が好きなんだと思う。人生に対する貪欲なまでの洞察はどんな媒体でも響くもの。
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