爆裂BOX

ゾンビタイガー 狂虎襲来の爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゾンビタイガー 狂虎襲来(2022年製作の映画)
3.4
明王朝の時代、一人の医術氏が不老不死の薬の精製を目論む。その薬には生きた虎の心臓が必要で、虎が出没する町に狩場を作るが、虎の体内で奇妙なウィルスが増殖し…というストーリー。
ウィルスによって凶暴化した虎の大群が襲い掛かってくる中国産モンスターアクションです。
皇帝を守護する錦兵衛を辞めて弟を探しに町を訪れた凄腕剣士チャン・リウチョンがウィルスによって凶暴化した虎が人々に襲い掛かる事態に遭遇。生き残るために戦いに身を投じる、という内容です。
冒頭から出し惜しみなくゾンビ虎が登場するのがいいですね。一党だけじゃなく大群で登場する所も景気が良いです。
錦兵衛として横暴な皇帝に仕えて人を殺すことに嫌気がさしていた主人公リウチョンは、逆賊の娘の少女の処刑を命じられるも、反旗を翻して錦兵衛達倒して少女を連れて逃亡。国境沿いの町にいる弟に逃がしてもらうために訪ねるも、そこでゾンビ虎の襲撃に見舞われます。中国モンスター物によくある時代劇とモンスター物を合わせた展開ですね。
ゾンビ虎は眼が白目だったり傷を負ってたり、その傷口に沸いた蛆に一瞬クローズアップするシーンありますが、基本的には普通の虎と変わりないかな。噛まれたり食い殺された人間がゾンビになったりもしないので普通の虎パニックとあまり差異は感じられませんでした。痛みを感じないからかちょっとやそっとの攻撃じゃ倒れませんが。謎のウィルスと粗筋では言ってますが、水を恐れる点など狂犬病に感染した虎という感じですね。CGですが、そのクオリティは高いと思います。
結構早めにゾンビ虎の大群が町に襲撃かけて来て、阿鼻叫喚の地獄絵図と化していき、そこから主人公が生き残った人々と協力し、虎の心臓から作った不老不死の秘薬金丹を狙う皇帝に仕える領主一味と争ったり、やむを得ず共闘したりとテンポよく進んでいきます。ゾンビ虎の群れが城門に押し寄せて飛び掛かってくるのを火矢や石を落として防ごうとするシーンはちょっとだけ「グレートウォール」っぽい感じありました。
主人公も序盤で小手調べの剣戟アクション披露して、ゾンビ虎との戦いでは虎も主人公もクルクル跳び回りながら戦います。主人公の弟の相棒で、弟が犠牲になりながらも生き延びたヒロインも弓矢使って戦う姿がかっこよかったかな。酒場で舞を披露してたセクシー美女三人も戦えそうな感じ出してたけどこちらは別に凄いアクション披露しなかったな。
終盤での抜け道の森を通っての脱出劇も盛り上がってたと思います。BGMとして流れる歌はウザかったけど。主人公達囮にしようとした領主たちが逆に囮になって、逃げる主人公達結構生き残りの数多いなと思ってたらそこからバタバタ死んでいきましたな。その人達も死ぬ!?って人も死んでいったし。
クライマックスの吊り橋での戦いはゾンビ虎だけじゃなく、金丹を食べてゾンビ化した領主も現れて、それに対する主人公の決断はまあ予想は付きました。あそこで少女が泣き叫ぶけど、最初主人公の事仇と罵ってたからちょっと唐突に感じたな。もうちょっと交流させて心の壁が溶けていく所描いたら良かったのに。
元凶ともいえる奴にカタをつけるラストはちょっとスカッとしました。エンドロール中にも映像ありますが、噛まれても感染しないから大丈夫だったのか。後ろで虎も動いてたけどまああの強さなら大丈夫だろう(笑)
中国モンスター物としてはそれなりに楽しめた作品でした。