える

ウルトラマンブレーザー THE MOVIE 大怪獣首都激突のえるのネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

ジード以来久々に続きが気になってシリーズ通しで観てたので義務的に視聴

まあ、おもろかったんだけど、思想が強いというか、よく言えば本編の延長戦というか、本編のテーマを濃縮した映画というか。

本編観てない人にざっくり説明すると、コミュニケーションって大事だよねってことと、おっさん達が昔ミスったツケを今若者が払わされてるとしても、当時としてはその時やれるだけのことをやった結果なのであって、今度は若者が今やれるだけをやるしかないって感じ。

本作ではやはり仕事優先で息子を顧みない父親と、それに反発して大人全体へ復讐を試みる息子の壮大な親子喧嘩。に巻き込まれるウルトラマン。

本作でもお茶目なブレーザーと、どこか憎めない地球怪獣も観れて良かった。

最近の特撮は予算の低減が甚だしいけど劇場版ともあって汚い大人達の象徴である国会議事堂のミニチュアフルセットを半壊させるシーンはめっちゃ良かった。

結論としてお父さんは息子とちゃんとコミュニケーションがとれていなかったことに気付かされ後悔し謝罪し、息子も父親からの愛情が欲しかっただけの八つ当たりだったと認め、仲直りして終わり。ただ、個人的な意見としては、大人の中には自分達さえ良ければ若者や子供がどうなろうが関係無いと主張する人間がいるのも事実だと思っている。それが選挙の票や金に結びついて"汚い大人達が"現実化してしまっているという問題提起でもあったと思うのだが、大人には大人の事情があるって言って力でねじ伏せて怪獣を爆殺してめでたしめでたしな雰囲気はちょっとどうかと思った。奇しくも政治家の裏金問題が表露したタイミングでもあり、お互いもっとコミュニケーションとりましょうよとかいう話で片付かなくなってきているのはフィクションより現実の人間の方が気が狂っているという皮肉だろうか。

ちなみに冒頭15分くらいしっかり使って本編未視聴の人や、僕のように本編終わって間が空いて忘れかけている人のためのダイジェスト映像があるので安心。

僕が本編で一番好きなシーンが、本当に最終回の最終決戦で今までウルトラマンには珍しく光線を一度も発さなかったブレーザーが、左腕につけた息子の手作りブレスレットと、左手薬指の結婚指輪から力をもらって、たった1回だけ、最初で最後の光線で怪獣を倒すシーンがすごく好きだったんだけど、本作でも同じ理屈で光線を撃っていた…。いや、気持ちは分かるよ。めっちゃ熱い展開だったし映画でもやりたい気持ちは分かる。けど、僕は本当にあれを最初で最後の一撃にして欲しかった。まあグリッターティガも最終回とファイナルオデッセイで2回登場したし、目くじら立てる事でもないか。本編テレビシリーズを1本の映画にしたらこうなるって感じだったのでまあ許そう。

特撮好きな方におすすめ。というか、ブレーザー本編もおすすめ。
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