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テルマ&ルイーズ 4KのOMCのレビュー・感想・評価

テルマ&ルイーズ 4K(1991年製作の映画)
4.5
犯罪を犯してしまった女2人の逃避行。
初見です。
30年以上前の作品なのに色褪せない、最高にぶっ飛んだ映画でした。
単にエンタメとしても楽しめるし、彼女たちの行動の裏にある社会背景から、問題意識を持って見ることもできる。
アメリカン・ニューシネマをオマージュしながら、当時女性たちが口を閉ざさざるを得なかった性被害に対する正義を、彼女たちのやり方で貫いてみせた。2017年にハーヴェイ・ワインスタインの性暴力が告発されて以降、#MeToo運動を意識していると思われる映画が何本か公開された。今では広く認知されつつあるが、30年前は大きな問題にされず、裁判で争っても勝ち目がないことがわかっているので、女性たちは黙っているしかなかったんだろう。そう思うとこの問題についての先駆け的な作品といえる。
彼女たちの行動は決して許されることではないし、どうみても破滅に向かっているとしか思えないけど、そうなったことの理由が全て提示されるので、観客は納得せざるを得なくなる。きっとよくできた脚本だったんでしょう。2人の逃避行を存分に楽しみました。
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