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かづゑ的のpersimmon1aのレビュー・感想・評価

かづゑ的(2023年製作の映画)
5.0
時代を変えるような大発明をした人、存命中でも死後でも素晴らしいと評価されるような芸術作品、書物、思想なんかを生み出した人、滅私的に他人のために己を捧げた人などなど、半生を映画化されるような人は多くいる。たぶんいくつかは見たことある。特に印象残ってるものはない。

自分がいつも気持ち持ってかれるのは、必ず市井の人の生きざま。「置かれた場所で咲きなさい」ではないけど、逆らえない、自分で選ぶことのできない人生環境の中で生き抜く人。「ちゃんと生きたと思う」っておっしゃってて、誰もそれを否定する人いないと思う。だから、泣くって分かってて観に行って、泣いた。

90を超えても少ない皺の理由を知ったとき、唖然としたし、初めて画面でお姿見たとき、そんなところを無意識に着眼して、若いなーとか思った自分が恥ずかしくなった。なんでそんなとこばかり見て、何らかのジャッジをしてるんだろう…と。同時に、他人の外見、フィジカルについて発話することはやたら滅多たらすべきではないと改めて思ったし、誰もが共有できる感情かと思われた童謡「ふるさと」ですら、失礼になる場合もあるということも知った。

かづゑさん、おかあちゃんの墓石に抱きついてなかなか帰りたがらなかった。10歳で離れても、実感できる母親からの愛を受けていたし、FDH(福岡ダイエーホークス)のベースボールキャップがお似合いの旦那さまへの与える方の愛の方もあったし、そこは生き続けるかなり強い軸にもなっていたと思う。自分にはそのいずれもないので、持ってみたかったなと思った。

やっぱり瀬戸内海はいい。
穏やかな海が心を癒す。移住先候補1番の地位はゆるがない。
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