カタパルトスープレックス

落第はしたけれどのカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

落第はしたけれど(1930年製作の映画)
2.8
戦前の小津安二郎作品。『大学は出たけれど』(1929年)のヒットに続いて二匹目のドジョウを狙った社会風刺コメディです。

『大学は出たけれど』は70分のうち11分しか残っていませんが、本作は全て残っています。脚本は清水宏に変わって伏見晃。ヒロインは二葉かほる。前作の田中絹代のスターなオーラが出てる感じも良かったですが、こちらの母性的な感じも良かったです。

テーマは引き続き「大学は出たけれど」なので、あまり新鮮味はありません。ストーリーもカンニング学生が落第する話なのすが、あまり起伏もなく平坦。アメリカンな「小津好み」も同じく学生生活を題材とした『学生ロマンス 若き日』(1928年)と比べると薄味。

少し中途半端な印象を受けた作品でした。