ふじこ

よき仕事のふじこのネタバレレビュー・内容・結末

よき仕事(2020年製作の映画)
3.1

このレビューはネタバレを含みます

特に何も起こらない短編映画。
ナチスによるホロコーストの場面を描いているらしき映画撮影の裏側で、英語ってムズくない?みたいな話をしながら木を削って鉤十字を作ったり、人を焼くための焼却炉のプレゼンをしたりする美術担当のスタッフのほんのひと時を描いた作品。

雰囲気が良い。
ナチスの軍服を上半身だけ着て下は赤い短パン姿の男がトイレを借りに来たり、血を流した"縞模様のパジャマ"を着た男もまたトイレを借りに来たり。
そして彼らよりもエキストラを管理するスタッフの態度が一番キツい。
映画内で描かれる鉤十字も人を焼くための炉も、軍服を着た男も捕虜が怪我している様子もきっと真面目に辛い現実を描いているだろうに、映画撮影の裏側はなんとなくのんびりした空気や何処も変わらない日常の風景があるんだなぁって。
捕虜いらないって、と言って大道具係と煙草を吸いながらシリアスな場面の撮影を見守って終わる感じ。あの雰囲気は良いなあ~となった。
映画では心を揺さぶられたり涙したりするシーンの裏で、作っている人達の日常もちゃんとあるんだよね~って。
ふじこ

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