おらおらせきタン

60ミニッツのおらおらせきタンのネタバレレビュー・内容・結末

60ミニッツ(2024年製作の映画)
2.8

このレビューはネタバレを含みます

登場人物がことごとく愚かな行動をとり続ける恐ろしい脚本。アクションを見せたいのは分かるし、そのクオリティは十分高いのだが、だったら振り切った方がだいぶまし。脚本がグダグダなせいで「主人公が総合格闘家であること」が決着に反映されないというもったいなさ。
子どもを取るか、試合を取るか、の二者択一を迫られた結果大騒動に巻き込まれるというのが大まかなあらすじなのだが、最初に子どもとの絆を描かないもんだから「愛情」も見えてこないし(普段散々放置しておいて親権だけは欲しいダメな父親にしか見えない)、逆に数々の罪を犯してでも子どもに執着する狂人と描くこともできたはず。だが、その描写が中途半端なうえに、序盤に提示された「60分以内にたどり着かなければ親権を失う」というルールを堂々と逸脱し、ハッピーエンドを装うたちの悪さ。終盤に父親から主人公が変わらないといけないと言われるのだが、そこだって十分に機能しているように思えない。