幕末の会津藩士が現代の撮影所にタイムスリップ、「斬られ役」として奮闘する話。文明社会を風刺したカルチャーギャップ・コメディと思いきや、これが全然違う。”時代劇愛”に溢れた人情喜劇。描写も朴訥としいて昭和の映画の趣き。が、殺陣の場面はソリッドで迫力満点。時代劇出演多数のキャリアを持つ主演山口馬木也の面目躍如といったところか。「5万回斬られた男」福本清三への献辞があるエンドロールで、監督・脚本の安田淳一、撮影・照明・編集のほか、車両からチラシ作成・パンフレット製作までも手掛けていることを知り驚いた。『SHOGUN 将軍』に続けとばかりに時代劇復興の起爆剤になるか。