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侍タイムスリッパーのwksgknchのレビュー・感想・評価

侍タイムスリッパー(2023年製作の映画)
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タイムスリップといえば、割と過去に戻るのが多い気がするが、
本作は幕末に武士として生きていた侍が落雷で現代に飛んじゃうという物語

監督の安田淳一さんは脚本から撮影、編集、チラシやパンフレットなども1人でこなしたそうで、カメラを止めるな!を意識していたそうだが、その通り、単館から数百館にまで拡大上映し、現在5億くらいの興行収入にまで到達。

主演は高坂新左衛門を山口馬木也さん、
風見恭一郎を冨家ノリマサさん、山本優子を沙倉ゆうのが演じた。

もうとにかく役者さんたちの演技が素晴らしい。
決して皆が知ってる方々ではないが、山口さんは、
渋いけどギャグもいけるし、雰囲気があってm
これから目にする機会が増えるのかなあと思った。

テレビに驚く、ケーキを食べて、豊かになったと泣くシーンなどの
小ネタも概ね良かった、もっとありそうだけど本題はそこではなく。

未来にいるからこそわかる、わかってしまう当時の行く末、
それを観なくてもよかったけど、観る決断をした、
そこでこの映画のギアが上がった気がした、
運命に抗ってしまった自身を憂い、責任を負う新左衛門の決意はグッときました。

本作は時代劇の過去から現在の地点がテーマで、
それはかつて盛り上がった産業が衰退していくという問題がテーマであり、
幕末には実際に真剣で闘っていたわけで、それが後に娯楽として昇華した、
その過程で失われたこと、残ったことを目の当たりにして、
そして現代で再開した2人の決断、決意、からの最後の対峙へ。
緊張感でヒリヒリした。
最後、我に返り、つぶやくシーン、最高でした。

時代劇が持っている型としてのエンタメは、
アメリカの西部劇に劣らないジャンルとして、
ちゃんと確率できるのではないだろうか、
ラストサムライとSHOGUN、真田さんがどちらも絡んでいるのから、
真田さんしかいないのではないか、とも思うけど、
日の目を浴びること無く、しかし強い思いで研ぎ澄ませた仕事をされている方は
確実にいて、その技術みたいなものが失われてしまうことも考えられるし、
今こそ時代劇をもう一度つくれないのだろうか、
と感じさせてくれる映画でした。
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