令和のカメラを止めるな。
評判に釣られて今更ながら鑑賞。
普段、低予算映画はそこまで見ないし、邦画で言うと『カメラを止めるな』以来の鑑賞かもしれない。
低予算であることを感じさせない。という褒め言葉は本作には全く当てはまらず。
低予算であることを至る所から感じさせながら、それでも尚面白いというのが、本作の魅力だと思った。
面白く感じた要因は、2つあった。
1つ目はコメディ。
小ボケが結構入っていたけど、どれも笑えた。
テンション高いだけ、勢いだけのコメディが苦手なんだけど、それとは真逆の正当に面白いコメディ。
フリがちゃんと効いている笑いが多くて好きだった。
切られ役の初練習で、何度やっても師匠を切ってしまうのは腹抱えて笑った。
劇場であんなに笑ったのは初めてだった。
2つ目はシリアス。
武士の常識が一切通用しない現代に来て、赤子同然という状況の高坂さん。
本物の武士でありながら、切られ役として1から真剣に学んでいく姿は、引き込まれるものがあった。
ラストの真剣を使った殺陣のシーン。
最高潮に緊張感が高まるし、斬り合い前に見つめ合うシーンには固唾を飲んだ。
殺陣を見て「本物の武士や」というセリフがあったけど、まさしくその通り。
当たり前だけど、撮影には模造刀を使っているわけだけど、「本当の武士ってこんな感じなんだろうか」と思わされた。
コメディとシリアスのギャップがお互いの要素を引き立てあっていて、全体としての完成度も高くなっていると思う。
細かいところで荒削りなところは目立ったけど、低予算でも見応えのあるものができることに心打たれた。
1人も知っている俳優がいないけど、ちゃんと面白い。
劇中の切られ役の社会的立ち位置と重なって、そこも感動ポイントだった。