岩男

ぼくが生きてる、ふたつの世界の岩男のレビュー・感想・評価

4.6
伝えられない想い
立ち去るその背中に感情が溢れ出す

コーダとしての葛藤を抱える息子と、息子の悩みを聞いてあげられない母の、少し離れた距離感がもの凄く胸をヒリヒリさせる感じで居心地が悪かった🫨

大から見た母はいつも優しくて朗らかで応援してくれる存在
そんな母に対しての好奇の目や自身に対する「可哀想な子」というレッテルを疎ましく感じ、自分の失敗を耳の聞こえない両親のせいにしては辛辣な言葉を並べるのは胸が苦しくて辛かったな‥

自分もそうだけど親元を離れて分かることがあるし、無性に会いたくなる時だってある
季節の変わり目や悪天候の時には必ずラインしてくる母
帰省するたびに豪勢な食事を用意しようとするけど、自分としては煮物や焼き魚みたいなものが食べたい!
カバンが欲しいというから一緒にカバンを買いに行ったら、キラキラした目で「どっちがよかろうか?」と悩み出したり、社会人初給料で買ってあげた財布を未だに使い続けている母
そんな母のことを思い出さずにはいられない作品だったし、自分も嫌な想いを沢山させただろうな〜って振り返ったな

そんなことはさておき、吉沢亮の演技はもちろん良いとして忍足さんの表情がピカイチ過ぎて、忍足さんが映るシーンの全てにドラマがあって、今年の主演女優賞おめでとうございます!👏🏻みたいな気分

逆に忍足さんがいない、大の東京編にはあまり魅力を感じなくて、就活のシーンなんて目も当てられない!👊🏻
仕事場の人たちや手話教室?の人たちのこともざっくりし過ぎてて、もっと焦点絞っても良かったんじゃないかと思った!
岩男

岩男