“ろう だからって同情も心配もされたくない。これも人生なんだわ。”
»作家でエッセイストの五十嵐大による自伝的エッセイ「ろうの両親から生まれたぼくが聴こえる世界と聴こえない世界を行き来して考えた30のこと」を映画化。
で、コーダの話ということで見始めて、何かドラマチックな展開があるのかと思いきや、挿入音楽もなく淡々と描かれるだけでしたが、それが後からジワジワ効いてきましたね。
そう、母と子の関係が主な見どころになり、反抗期のシーンでは酷い言葉で母親に悪態をついてしまうけど、それは特別ではなくて。
うん、一人暮らしをして社会に出てみてからいろいろと学ぶ訳で、反抗期の間違ってた自分にも気づく…って、よくある描写なんですけどね。
そんなラストもとてもシンプルながら、無音での回顧でやはりグッとなってしまう巧みさ。
にしても、本人が大変と一言も発してないのに、大変そうとしてしまうエゴ…身に沁みて感じました。
なお、俳優陣では、吉沢亮 …医者役のドラマで見せた熱演を彷彿しましたね。
忍足亜希子…流石でした。
今井彰人…いい仕事してました。
さらには、烏丸せつことでんでんがいい味を出し…ユースケ・サンタマリアや山本浩司らのサポートも良き。